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サイト運用の事例集・コラム

「AIでサイト診断したら改善点が20個も出てきた…全部やるべき?」~“気づきのリスト”を“実行計画”に変える保守管理の話~

  • サイト運用の事例集

近年、ChatGPTやClaudeなどのAIチャットに自社サイトのURLを渡し、「改善点を教えて」と診断させる方が増えています。数秒で20〜30個もの指摘がずらりと並び、「うちのサイトはこんなに問題だらけだったのか」と不安になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。

月額制のサポート・保守管理において、「毎月何を管理しているの?」「AIで済む時代に、何をしてくれるの?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。本コラムでは、AIによるサイト診断結果をどう扱うべきか、Kurumi株式会社が普段どのような管理を行い、他社とどう違うのかをご紹介します。


AIに既存サイトの診断を依頼すると、以下のような項目が技術面からコンテンツ面まで幅広く、かつ大量に返ってきます。

「Core Web Vitals」「構造化データ」「canonicalタグ」…これだけ英語やカタカナがたっぷり並んでいると、それだけで「うっ」と身構えてしまいますよね。専門用語だらけのリストを見せられると、実際の深刻度以上に不安を感じてしまうのは、決して珍しいことではありません。

まずは一度、実際にどのような項目が挙がってくるのか見てみましょう。

  • 画像の軽量化・次世代フォーマット化(WebP/AVIF)
  • 表示速度の改善(Core Web Vitals:LCP/CLS/INPなど)
  • モバイル対応・レスポンシブ崩れの修正
  • 不要なJS/CSSの削減、キャッシュ設定
  • SSL化・混在コンテンツの解消
  • 404エラー・リンク切れの修正
  • サイトマップ(XML)の生成・送信
  • ページタイトル・description(メタ情報)の見直し
  • 見出しタグ(h1〜h3)の構造整理
  • 構造化データ(JSON-LD)の追加
  • canonicalタグの設定・重複コンテンツ対策
  • alt属性(画像の代替テキスト)の追加
  • 内部リンクの最適化
  • 情報の鮮度・更新日の明記
  • コンテンツの網羅性・専門性の強化(E-E-A-T対策)
  • CTA(問い合わせ・購入導線)の見直し
  • 会社概要・実績・執筆者情報の充実
  • FAQ・よくある質問ページの追加
  • 更新運用の整備(更新頻度・担当者・フロー)
  • アクセス解析(GA4など)の導入・設定見直し
  • Search Consoleの登録・エラー監視
  • CMS・プラグインのバージョン管理
  • ナビゲーション・情報設計の見直し
  • フォームの入力項目・エラー表示の改善
  • ボタン・リンクのタップしやすさ(モバイル)
  • 配色・コントラストの視認性改善
  • SSL証明書の更新確認
  • プライバシーポリシー・特商法表記の整備
  • Cookie同意バナーの設置(必要な場合)

これだけの数と専門用語が並んでいても、実際にすぐ対応が必要なものはごく一部で、大半は緊急性の低い項目です。理由を一つずつご説明します。

ここで注意したいのは、AIの診断結果には優先順位が一切設けられていないという点です。

「致命的な不具合」も「あれば尚可な改善」も同じ粒度・同じトーンで並んでしまうため、リストを見た方は「全部直さなければいけないのでは」と不安を煽られてしまいます。

最近では、「優先度付きで教えて」と指示すれば、AIが順位をつけて回答してくれることもあります。しかし、そこで出てきた優先順位が、そのサイトにとって本当に正しい優先度とは限りません。

AIはあくまで外部から見える情報だけを基に判断しているにすぎず、「なぜその仕様になっているのか」という内部の事情までは把握できません。

あえてその仕様のままにしている理由がある、その部分は仕様上どうしても改修できない、あるいは改修すると他のプログラムと干渉(バッティング)してサイト全体に不具合が起きる、といった“中の事情”はAIには見えていないのです。

そのため、AIが提示する優先順位についても、そのまま鵜呑みにするのではなく、あくまで一つの参考情報として捉えていただくことが大切です。

さらに気をつけたいのが、AIの診断結果や改修案そのものが、必ずしも正しいとは限らないという点です。

  • AIが提示したコードやプログラムをそのまま入れてしまうと、既存の仕組みと衝突してサイトが壊れてしまうケースがあります。
  • すでに「対応済み」の項目であっても、AIが正しく認識できず「未対応」と表示してしまい、不必要に不安を煽るケースもあります。
  • 100%の対策が施されていない限り「未対応」と判定されてしまう傾向もあります。たとえば98%まで対策できていても、AIの目には「対策していない」項目として映ってしまうのです。

こうした特性を踏まえると、**AIの診断結果は「絶対的な正解」ではなく、「気づきを得るための一つの材料」**として扱うのが適切です。

しかし実際には、挙げられた項目の多くはすぐに来店数や予約数へ影響するようなものではなく、対応の緊急性が低いケースがほとんどです。

一度に20〜30個の改善点が出てくること自体は珍しくなく、それを全部同時に対応するのは現実的ではありません


※こちらはあくまでWeb業界における一般的な傾向であり、すべての制作会社様に当てはまるわけではありませんが、一般的なスポット契約(都度対応)や、AIで自動生成する安価なホームページ・サブスク型ホームページなどでは以下のようなケースが多く見受けられます。

そもそも制作時点で、先述したような項目をすべて網羅している会社はまずありません。むしろオプションとして一つずつ積み重なっていき、結果としてお見積りが100万円以上になってしまうケースも珍しくありません。

また、制作時のみの契約関係の場合は、納品をもって関係が完了しており、公開後の保守・改善提案を継続的に受けられる契約にはなっていないケースが一般的です。

そのため、AI診断で改善点が見つかっても、日常的に相談できる窓口自体がないという状況も珍しくありません。

診断結果を見せても、「では見積もりします」という流れになり、どこから手をつけるべきかの整理まではしてもらえないことが一般的です。

メタ情報の修正、構造化データの追加、画像の軽量化…といった項目ごとに個別で見積もりが発生し、まとめて対応してもらえるケースは多くありません。

テンプレートの範囲内でしか編集できない仕組みのため、構造化データの追加やCore Web Vitalsの個別改善など、コードレベルの改修そのものに対応していない(対応できない)ケースも見受けられます。


Kurumi株式会社の月額制サポートでは、AI診断結果のような「気づきのリスト」を、そのまま鵜呑みにするのではなく、事業にとって意味のある「実行計画」に変換する作業を行っています。

すべての項目を並列に扱うのではなく、「影響度は大きいが工数は中程度(例:表示速度改善)」「影響度は中程度だが工数は小さい(例:構造化データの追加)」といった軸で整理し、着手順を明確にします。

リンク切れ・エラー・SSL関連の問題など、放置すると機会損失に直結するものは即対応。一方、コンテンツ強化や運用体制の整備など、時間をかけて育てるべき項目は中長期の計画として別枠で管理します。

AIが挙げる改善点はあくまで「気づきのきっかけ」と捉え、すべてを実行するのではなく、お客様の事業目標(問い合わせ数・売上・採用など)に直結する項目から優先的に着手するようご提案しています。

優先順位づけは「何をやるか」だけでなく、「何をやらないか」を決める作業でもあります。事業への影響が小さい項目は無理に手を加えず、現状維持を選択します。お客様が有料でも対応を希望される場合はご要望として検討いたしますが、改修によって既存の表示崩れや動作不良を引き起こすリスクがコスト・効果を上回ると判断した場合には、対応をお断りすることもございます。「触らない方が安全」という選択肢も、管理の一部と考えているためです。

あるお客様がAIにサイト診断を依頼したところ、28項目もの改善点が提示され、「全部直さないといけないのか」とご不安になってご相談いただきました。Kurumi株式会社にて内容を精査したところ、緊急対応が必要なものは「リンク切れの修正」と「メタ情報の一部誤り」の2点のみ。残る26項目のうち、15項目は作業工数やコスト、改修に伴うリスクを踏まえて「対応不要」と判断し、あえて手を加えないことをご提案しました。残りの項目についても中長期的に段階対応で問題ないと判断し、優先順位を可視化した上で、月額費用の範囲内で緊急度の高い項目から着手いたしました。


AI診断結果をそのまま実行に移すのではなく、影響度と工数で整理したことで、お客様は「何から手をつければいいか分からない」という不安から解放されました。不要な改修に費用をかけることなく、事業に直結する部分から着実に改善を進められる、安全なサイト運用が実現できております。

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