クリニックサイト運用の事例集・コラム
「あれもこれも」は逆効果?クリニックが集患で本当に注力すべきWeb戦略の優先順位
- クリニックサイト運用の事例集
目次
「Webサイトをリニューアルしたい」「Instagramで院内の様子を発信して集患したい」「YouTubeで医療解説もしてみたい」。日々、多くの医療機関様からご相談をいただきます。しかし、限られた予算と人手で、すべてを完璧にこなすことは困難です。特に医療の現場では、単なる認知拡大以上に「信頼」が重要です。本記事では、クリニックが数あるデジタル施策のなかで、どのような基準で優先順位をつけるべきか、私たちの考え方と実際のアプローチをご紹介します。
事例詳細
今回の事例は、Webサイトを軸に、Instagram、X、TikTok、YouTube、Googleマップ(MEO)、LINE公式アカウントと、広範囲なデジタル施策をご検討されていたクリニック様です。
端的な結論
予算が決まっているのであれば、費用対効果の高い施策だけを最優先し、それ以外は潔く切り捨てるべきです。
結論の理由
コンサルタントや制作スタッフも人間であり、労働の対価としての人件費が発生します。30万円の予算であれば30万円分の、1万円の予算であれば1万円分の価値しか提供できません。
見積 = 施策(広告等)に対する課金 + 人件費 で構成されます。
1万円で全てのチャネルを網羅するのは物理的に不可能です。では30万円なら全てできるかというと、そうではありません。本来であれば「30万円を一つの施策に集中投下する」のか、「複数の施策に振り分ける」のかを論理的に判断し、必要に応じて「今はやらないこと」を助言してくれる会社を選ぶべきです。費用対効果の高いものにリソースを集中させることこそが、確実な集患への近道です。
誤った戦略は、いくら予算を投じても「浪費」に終わる
また、金額の多寡は成功を保証するものではありません。誤った戦略に基づく施策であれば、それが1万円であれ30万円、あるいは300万円であれ、投下した資本をすべて「どぶに捨てる」結果になりかねないからです。
重要なのは、予算の大きさではなく、その予算を投下する「判断の質」です。集患につながらない施策を漫然と続けることは、資金だけでなく、本来得られるはずだった機会損失をも生むことになります。安易な投資を避け、まずは「何のために、どこに集中すべきか」という戦略を明確にすることが、最もリスクを抑えた集患の第一歩となります。
一般のWeb会社が行なう対応(※あくまで一般論)
多くのWeb会社では、「今、先生が一番やりたいのはどれですか?」と、医師の希望を優先してヒアリングを行うケースが見受けられます。
「あれもこれも多いので、とりあえず全部のアカウントを開設しましょう」と安易に並行して進めることは、結局のところ、現場の心理的な「やりたいもの(=効果が出るとは限らないもの)」に予算を投じてしまうパターンになりがちです。効果の検証は二の次で、予算の消費が優先されることもあります。結果として、集患に結びつかなかった際に「先生がやると仰ったのは院長ですよね」と責任を曖昧にされ、貴重な運営コストを無駄にしてしまうケースが後を絶ちません。
Kurumi株式会社が行なっている対応
私たちは、まず「費用対効果の算出」から着手します。広告費用や人件費などのトータルコストに対し、単なる宣伝費用として消えるのではなく「クリニックの資産として何が残るか」を最も重視します。
私たちが推奨するのは、Webサイトの充実化です。どんなにSNSで発信しても、最終的に患者様が「ここなら安心だ」と判断するのはWebサイトだからです。具体的には、「院内の雰囲気や診療方針の明確化」「疾患解説記事の充実」「患者様の事例集の整備」「よくある質問の回答」にリソースを集中させます。
また、Webサイトという基盤を固めた後の「サイトの記事更新」や「SNS運用」についても、以下の現実を必ずお伝えしています。
誰が運用するのか
外部に委託する場合、プロが継続して運用するにはそれ相応の費用が必要です。その予算を継続的に確保できるのかも重要です。
継続性の担保
医療情報の更新もSNSも継続が命です。「開院当初に数記事書いただけ」「三日坊主で放置」されているSNSは、かえって患者様に「最近は運営していないのか?」という不信感を与えます。
優先事項の見直し
SNSはあくまで「周知」の手段に過ぎません。サイトが未整備な状態で集患を始めても、興味を持って訪れた患者様を逃すだけでなく、期待値とのミスマッチから院内トラブルに発展したり、Googleの悪い口コミに繋がったりするリスクがあります。だからこそ、まずは盤石なWebサイト(信頼の証)を作り上げることが、最も効率的かつ安全な集患戦略なのです。
その後、どうなったか
費用対効果を論理的に算出することで、本来必要のない施策への無駄な浪費を食い止めました。Webサイトという「信頼の資産」が整備された後に、身の丈に合ったSNSからスタートしたことで、サイトへの流入もスムーズになり、地域の良質な患者様との出会いが実現しました。「あれもこれも」と散漫に投資していた状態から、本当に患者様に届く一点に絞ったことで、結果として安定した集患を実現しています。

